群馬大学医学部産科婦人科学教室

産科

Maternity

婦人科

産科グループでは、大学病院という特性を生かし、各科と協働して妊産婦さんの診療をしています。また、近隣の市中病院や産科診療所で母体(産前・産後)や胎児に対応困難な問題が発生した場合、常時緊急母体搬送を受け入れております。

対象疾患

合併症妊娠 胎盤位置異常 妊娠高血圧症候群 切迫早産 多胎 胎児異常 など

診療体制

産科グループでは、グループ体制で診療を行っています。個々の患者さんに対する治療方針については、産科内でのカンファレンスや新生児科と合同カンファレンスを毎週行い、最新の知見を共有し、詳細に検討しています。その他、糖尿病内科合同カンファレンス、核医学科合同カンファレンスも行っており、その他さまざまな合併症を持つ妊婦さんについても、適宜各診療科と連携しながら診療にあたっています。

産科外来

月曜日〜金曜日の、主に午前中に産科外来枠を設けています。ハイリスク妊娠・分娩だけでなく、通常の妊娠・分娩、里帰り分娩、以前帝王切開を受けた方の試験的経腟分娩(危険性について理解し、その上でご希望される方に限り)も扱っています。産科外来は原則予約制です。ご紹介の患者さんについては、地域医療連携枠という、通院中の診療所や病院から予約できる枠がありますので、こちらからご予約をお願いしています。産科の地域医療連携枠は月火木金の午前中に枠を設けています。
詳しくはこちら
http://kanjasien.dept.showa.gunma-u.ac.jp/chiikirenke.html

当院で行っている出生前診断について

出生前診断は、妊娠中に行われる赤ちゃんの状態を診断することを指します。予め生まれつきの異常を診断することで、生まれた瞬間からより育ちやすい環境の準備や治療を進めるために行われるものです。当院では羊水検査を行っています。
羊水検査は妊娠15~16週頃に、羊水穿刺で約20㏄の羊水を採取し、その中に含まれている赤ちゃん由来の細胞を増やして(培養して)胎児の染色体を調べることで、染色体異常があるかどうかを調べる検査です。羊水検査は確定診断としてこれら赤ちゃんの染色体などの異常を調べる方法ですが、いわゆる先天異常には、染色体などの異常がないものも多く、全ての先天異常が胎内で確定診断できるものではありません。
*羊水検査を希望される方も、地域医療連携枠で初診予約をお取りいただく必要があります。まずはご夫婦への説明が必要になりますので、ご夫婦でご来院ください。当科に既に通院中の方は担当医へご相談ください。

妊娠中の超音波検査について

超音波検査は妊婦健康診査時などに、子宮内の赤ちゃんの状態や、子宮など赤ちゃん周囲の環境を観察する方法として最も広く用いられています。妊娠中に行われる超音波検査は以下の2種類があります。
①通常超音波検査
胎児の推定体重、多胎かどうか、胎位(頭が下なのか、逆子なのか)、胎盤の位置、羊水量、母の子宮や卵巣に異常がないか、などの確認を行います。
②胎児超音波検査
赤ちゃんの中には生まれながらに病気をもつことがあり、これらの病気の中で形に異常がある場合を先天性形態異常(約2-5%)と言います。病気の種類によっては胎児期に診断することで、出生後の環境を整え、スムーズに治療を開始することができる場合があります。赤ちゃんの診断によって、こちらでの分娩をお勧めすることも、または、より適する施設へ紹介させていただく場合もあります。胎児超音波検査は、そのような形態異常を診断するための超音波検査です。当院では妊娠20週頃と30週頃にスクリーニング検査を行い、何か所見があった際には更に後日精密検査を行っていきます。このように胎児超音波検査は、赤ちゃんの形態異常を診断するための検査ですが、赤ちゃんの異常はいろいろなものがあり、胎児期に診断が難しいものも多数存在します。また、逆に通常超音波検査でも偶然、赤ちゃんの形態異常が発見されることがあります。もしこの胎児超音波検査をご希望されない場合は、医師にお申し出ください。
*超音波検査結果のご説明について、以下の方針で行っております。
1.胎児形態異常以外の結果について
 超音波検査結果情報の一部(羊水量、胎盤位置、胎位、胎児発育の程度など)
に関しては、特別に申し出がない限り、それらの異常を発見した場合、お知らせいたします。
2.胎児形態異常や染色体異常を疑う形態異常などが偶然発見された場合
  赤ちゃんの超音波検査の結果は、基本的にご両親の情報と考えられます。
 そのため、ご両親にはそれら情報に関して、「知る権利」とともに、「知らない権利」があるとされています。私共はできるだけご両親のご意向に沿い、検査結果を説明したいと考えています。ご両親には検査を行う前に、まず、知りうる赤ちゃんの情報を全て知りたいのか、限定的に知りたいのか、逆に一切知らせてほしくないのかなどのお考えを予め示していただくことが必要です。当科では、事前に質問用紙をお渡しし、お答えいただき、その方針に従う形をとらせていただいています。