群馬大学医学部産科婦人科学教室

群馬大学産婦人科学教室の男女共同参画

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 我々産婦人科は、比較的女性医師比率が高い診療科であり、特に若年世代においては女性医師が過半数を占めています。出産という時間を選ばないライフイベントに携わり、時に長時間に及ぶ手術もある診療科として、時間外や当直時間帯の勤務の負担は相応にあります。これは担っている責任の重さの裏返しとも言えます。決して楽ではない状況にありますが、妊娠・出産や育児を経験する女性産婦人科医師が増えたことにより、多くの産婦人科医師が育児中の女性医師の勤務負担の軽減や、出産・育児による一時離職後の就労支援の問題に取り組んできました。
 このような中、昨年報道された一部の医科大学・大学医学部の不正入試問題については、当事者(受験生とその関係者)ならずとも憤りを覚えた方は少なくないと思います。医療の担い手として、性別は問わず、お互いに助けあい、個々人の状況を尊重し、公正に仕事を分担するという目指すべき方向性、その根底を揺るがしかねない問題たりえるからです。冒頭にその問題に触れ、偏見と閉塞感にあふれた現実を乗り越え社会を変革するために、自身の経験、多様性の必要性、公正に報われる社会の意義を説いた上野千鶴子先生の東京大学入学式における祝辞に多くの方が感銘を受けたことと思います。
 産婦人科医はよく女性の一生のパートナーと表現されますが、実際には不妊治療では、パートナーである男性も深く関与しています。妊娠・出産はその女性本人だけでなくカップルの問題です。その時々のライフステージにある女性の診療を通して、女性特有の問題や背景にある異性との関わりを慮る必要があります。群馬大学産婦人科学教室では関連病院も含め、男性医師:女性医師の比率は年々等しくなりつつあります。男性医師・女性医師がともにつどい、お互いを尊重し、男女の別なく公正で報われる教室であることが、より良い産婦人科医療の提供につながると考えています。