群馬大学医学部産科婦人科学教室

教授紹介

Greeting

Professor

 

岩瀬明

岩瀬 明

Akira IWASE

平成7年(1995)名古屋大学卒
医学博士

資格
日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本生殖医学会生殖医療専門医
日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医
日本女性医学学会専門医

学会活動
日本産科婦人科学会(代議員、生殖内分泌委員会小委員長)
日本生殖医学会(倫理委員会委員)
日本内分泌学会(評議員、第23回臨床内分泌代謝Updateプログラム委員、第39回内分泌代謝学サマーセミナープログラム委員、第94回日本内分泌学会学術総会プログラム委員)
日本産科婦人科内視鏡学会(理事)
日本受精着床学会(理事)
日本エンドメトリオーシス学会(理事)
日本IVF学会(理事)
日本生殖内分泌学会(理事)
日本女性医学学会(代議員)
日本不妊カウンセリング学会(評議員)
日本内視鏡外科学会
日本人類遺伝学会
日本婦人科腫瘍学会
日本周産期・新生児医学会
日本卵子学会
日本ステロイドホルモン学会

学会活動
Reproductive Biology and Endocrinology Editorial Board
Gynecology and Minimally Invasive Therapy Editorial Board

ご挨拶

産婦人科の魅力、産婦人科医師の果たす役割

・女性の生涯に関わる診療科としての責任。幅広い経験により人格を磨き良き臨床医たれ。

このサイトをご覧いただいている皆さん、そのほとんどは出生時に産婦人科医師のお世話になっているはずです。我々、産婦人科医は生命の萌芽から関わり、皆さんが出生後の人生を健やかに歩んでいけるための、人生最初のお手伝いをしています。
 ティーンエイジャーから40代くらいまでは、健康面で最も安定した時期になります。男性であれば病院には無縁の方も多いかもしれません。しかし女性には月経に関することなど女性特有の疾患や悩みがあり、勉学や就労にも影響を及ぼすことがあります。これらのケアも産婦人科医の仕事です。我が国の発展のためには、女性の更なる活躍が必要であることは言うまでもなく、産婦人科医師に対する期待も高まっています。
 性成熟期には妊娠・出産という大きな出来事があります。しかし、不妊症カップルは現在6組に1組と言われています。不妊症の原因は男女約半々と言われていますが治療の主体は産婦人科医が担っています。出産は家族にとって最大のライフイベントの一つですが、我々産婦人科医の仕事の中でも大きなウェイトを占めています。産婦人科医は、不妊治療、周産期医療の中で、女性を通しその家族とも真摯に向き合っています。
 がんの罹患者は年々増加し、2人に1人ががんに罹患する時代となっています。もちろん女性も例外ではありません。女性特有のがん(子宮がん、卵巣がんの総数)は三大がん(肺、胃、大腸)につぐ罹患者数です。ロボットを含む腹腔鏡手術、新しい抗がん剤治療など日進月歩の医療を担っています。また他診療科のがん患者の妊孕性温存(精子凍結保存、卵子・卵巣凍結保存など)についても産婦人科医が大きな役割を果たしています。
 我が国の女性の平均寿命は世界一です。しかし健康でくらせる健康寿命との差は約20年と言われています。健康寿命との差が生じる一因として、女性の場合、更年期からはじまる女性ホルモンの欠落が関与していると考えられています。ホルモン補充やこころのケアなどにより更年期・老年期女性がより良いQOLを達成できるよう寄り添っていきます。

我々産婦人科は女性の一生に関わり、その家族・うまれてくる子どもとも真摯に向き合っています。そして人の一生には様々なことが起こります。そのため我々産婦人科医に求められる要素・能力も局面ごとに多種多様です。どのような経験であれ、産婦人科診療に役立つものがきっとあります。群馬大学産科婦人科学教室は多様性を第一とし門戸を開放しています。

産婦人科医のキャリアパス、目指せPhysician Scientists

・医師として自立し臨床で得た疑問・課題へ取り組む。研究を通し明日の医療を創造する。

臨床の現場は常に困難であふれています。何を困難と感じるか、それは医師の経験・知識・技量によって異なります。まず標準的な医療を実践できるよう、自身のスキルアップを図っていく必要があります。各種ガイドライン、産婦人科専門医とその後に続くサブスペシャリティー専門医(周産期、生殖医療、婦人科腫瘍、女性医学など)取得のための経験・到達目標が道標となります。臨床医としての修練はOJT(On-the-Job Training)によるところが依然大きいのですが、より完成されたスキル・チームとして臨床を実践するための準備の視点から、また経験の個人差を補う意義においても、ハンズオントレーニング、シミュレーショントレーニングの重要性が認識されております。群馬大学産科婦人科学教室には、先達として産婦人科関連のすべての専門医が揃っており、定期的にトレーニング・セミナー・講演会を開催し、産婦人科を志した皆さんが臨床医として自立できるようサポートしています。
 臨床の現場には困難とともに未解決な問題も数多く存在します。私が医師となった1995年当時の問題のいくつかは解決され、代わりに新たな問題が出現しています。では各個人の臨床医としてのトレーニングや成長だけでこれらの問題が解決されたのでしょうか。もちろん答えはNoです。そこには多くの臨床研究、基礎研究の成果が関わっています。後方視的な臨床研究により問題を明確化することは、基礎研究のテーマ探索や前向き臨床研究の計画につながり、それらの成果から新たな知見が生まれます。Physician Scientistsは研究をする臨床医のことですが、その研究は必ずしも基礎研究に限りません。臨床医が関わる臨床研究は以前にも増して重要視されています。また我々の手の届かない深遠な基礎研究の成果を患者に還元するためにも、臨床研究が必要になってきます。現在の医療で解決できない課題に対し挑戦する意欲のみが、Physician Scientistsに求められる素養です。
 群馬大学産科婦人科学教室は、主として生殖内分泌分野の基礎研究で実績をあげてきました。私自身は同分野の研究者ですが、臨床研究も数多く手掛けており、基礎研究と臨床研究を並行して行うよう体制を整えています。現在は、臨床グループごとに基礎・臨床研究テーマを複数設定し、Physician Scientistsの養成ならびに博士課程大学院生には学位取得のための指導を行っています。

産婦人科の未来

・AIが代替できない周産期医療、一方、婦人科手術はロボットとの親和性あり。生殖医療には革新的発展の可能性も。

この先、我が国の医療は様々な要因により大きく変化していくと考えられています。その中でもAIの進出をまず考慮しなければなりません。画像診断・病理診断の分野では、未だ限定的な領域ですがエキスパートと同等かそれ以上の診断効率をAIが発揮することが報告されています。画像診断、血液検査等を総合的に加えた鑑別診断についても同様の経過をたどっていくと考えられます。周産期医療は、内診所見、患者の陣痛の訴え、胎児所見(胎児心音、胎児位置)などが刻一刻と変化し臨床的判断に迫られます。このようなプロセスについては現在のところAIが最も苦手とする領域です。ICTにより診療が効率化され我々の負担は軽減するものと期待されますが、産婦人科医の重要性には揺るぎがありません。
 一方、婦人科手術の対象となる子宮・卵巣は骨盤内臓器であり、手術範囲は一定の領域にあり体腔内で操作するスペースも確保しやすいという特徴があります。これらの特徴はロボット支援下の腹腔鏡手術に婦人科手術の親和性が高いということを示しています。事実、世界で行われているロボット支援下腹腔鏡手術においては子宮摘出術が最多の件数となっています。ロボットによる手術支援は、骨盤底の血管・神経周囲の微細な手術に役立つことは疑いの余地がありません。将来は、一部のプロセスをロボットが自動で実施してくれるようになることも期待されています。
 卵巣皮質は凍結保存が可能な組織であり、融解後生体に戻して機能が再現することが確認されています。また卵巣組織に含まれる原始卵胞から完全に体外環境のみで成熟卵を獲得する手法が確立しつつあります。これらの技術の発展は将来の不妊治療を根本から変える可能性があります。またヒトを構成する細胞は37兆といわれていますが、その出発点である受精卵はひとつの細胞です。これらの細胞を扱う生殖医療の技術をベースに様々な疾患に対する革新的介入技術が将来実用化されるかもしれません。

産婦人科は多様性に富んだ診療科です。各分野とも多職種が連携している点も大きな特徴になります。このような複雑な要素を含む産婦人科医療の未来、これを予見することは簡単ではありません。これから訪れるであろう驚きに満ちた産婦人科医療の進歩を我々と一緒に担っていきませんか。

 

 

群馬大学産科婦人科学教室沿革

History

初代 清水 直太郎 教授(1944~1950)

昭和18年(1943)に前橋医専が開校となり、産科婦人科学教室は昭和19年(1944)に清水直太郎教授が着任され開講となった。その後、昭和24年(1949)には群馬大学医学部が発足した。

二代 梅沢 実教授(1950~1958)

群馬県の周産期医療の整備に貢献。昭和33年(1958)横浜市立大学教授として転出、のちに横浜市立大学学長を務めた。

三代 松本 清一教授(1958~1972)

月経異常に関する膨大な研究成果を残した。我が国の月経異常に関する定義の多くは、松本教授の研究に依るところが大きい。昭和47年(1972)自治医科大学教授として転出。昭和55年(1980)第32回日本産科婦人科学会総会・学術集会長を務めた。

四代 五十嵐 正雄教授(1973~1991)

生殖内分泌分野で多大なる業績を残す。特にインヒビン、アクチビン研究では世界をリードした。教授退官後も精力的に研究活動を行う。

五代 伊吹 令人教授(1991~2000)

群馬大学産科婦人科学教室の看板である生殖内分泌研究の発展に寄与するとともに、群馬県の絨毛性疾患の登録・管理にも尽力。

六代 峯岸 敬教授(2000~2017)

LHレセプターに関する研究で国内外をリードした。医学部長、副学長を歴任。平成27年(2015)第67回日本産科婦人科学会学術講演会会長を務めた。

七代 岩瀬 明教授(2018~)

 

 

教室の雰囲気

Our Department

群馬県と言えば公立ながら男女別の高校(前高、高高、前女、高女など)で有名ですが、群馬大学産科婦人科学教室は男女比が半々に近く、共学校さながらのアットホームな雰囲気です。やりがいのある仕事に携わる我々は決して楽とは言えませんが、助けあって診療を行い、診療以外でも学会発表、多施設共同研究への参加、シミュレーション教育、ハンズオンセミナーの開催など精力的に取り組んでいます。抄読会やカンファレンスももちろん行っていますが、時間外の勤務を減らすように努めています。

普段は和気あいあい自由気ままですが(上段)(内山陽介撮影)

やる時はチームワーク良くビシッとやります(下段)。(内山陽介撮影)

個人個人の状況や方向性を尊重し、普段は和気あいあい自由気ままですが(上段)、やる時はチームワーク良くビシッとやります(下段)。(内山陽介撮影)