第3回群馬県版病院前周産期救急勉強会を開催しました
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群馬県内の消防職員を対象に、群馬県版病院前周産期救急勉強会を1月25日・26日に群馬大学医学部附属病院で開催しました。本勉強会は群馬大学の地域貢献事業に採択され今年で3年目となります。
勉強会の目的は、事例数が少なく救命処置に難渋する病院前周産期救急症例に対して、消防職員が適切かつ安全な活動ができることです。まず、ここ数年で変化している群馬県の周産期事情に関する講義の後、救急要請(現場到着までの対応)、現場活動(分娩介助、異常分娩、弛緩出血への対応)、搬送先選定(県内の周産期・救急事情に即した対応)について、実際の活動の流れを意識して実技と訓練を行いました。午後は、新生児蘇生法病院前コース(NCPR Pコース)を開催しました。NCPR Pコースとは、病院前で出生した新生児に対する蘇生処置を学ぶコースで、消防職員は新生児のモデル人形を使い実際の蘇生処置を行いました。最後にはドクターカーを使用し、狭い車内で母児同時に救急対応が必要になる事例も体験してもらいました。
産婦人科医だけでなく、助産師、看護師、小児科医、救急医、救急救命士といったあらゆる診療科や職種が講師陣として参加し、様々な視点からディスカッションを行うことが出来ました。受講生も積極的に参加し、受講後のアンケートでは、「受講前は分娩に対し恐怖感しかなかったが自信を持って活動できそう」「意識が変わったので、学んだことを部署で共有し活動に繋げたい」と、我々が学び得て頂きたいことを共有できたと感じました。
施設外分娩への対応や妊婦の搬送などは、群馬県の周産期事情から今後増加することが予測されます。そのためにも今後も継続的に勉強会を開催し、群馬県の病院前周産期医療の充実に貢献していきたいと思います。そして、この研修会の受講が病院前周産期医療の向上につながるということも証明していきたいと思います。
田中亜由子・上原理紗・日下田大輔